成人で職業上の理由などでリンガル矯正を希望される患者さんが増加しています。 リンガル矯正治療には上下の歯にリンガル装置（裏側の矯正装置）をつけるフルリンガル装置と上だけ裏側で下は外側に装置を付けるハーフリンガル装置があります。リンガル装置は他の人から矯正治療をしていることがわからないメリットがあります。ただし下あごのリンガル装置では慣れるのが大変だったり、発音がしづらいというひとがいる一方でまったく気にならないという人もいて個人差が大きいです。

そこで、ハーフリンガル装置を選択する人もいます。 ハーフリンガル装置でもほとんど矯正治療をしていることが他の人からわかりません。よくリンガル矯正治療は外側の矯正治療に比べて治療期間が長くかかると誤解される人がいます。 治療期間は外側でも裏側の装置でも変わりません。

症例1：リンガル矯正：抜歯ケース 上顎前突 叢生

フルリンガル治療を希望された方です。
上あごの装置はすぐになれたとのことです。下あごの装置はなれるまで上より時間が必要だったそうです。上あごは抜歯治療で下あごは非抜歯治療となりました。
外側の矯正治療と治療結果も治療期間もほぼ同じでした。

症例2：ハーフリンガル：非抜歯ケース 交叉咬合

見た目と発音を気にされていたので、ハーフリンガル装置を選択しました。八重歯や受け口（反対咬合）は非抜歯で治療ができました。治療期間は1年5ヶ月でした。

 

症例3：ハーフリンガル：抜歯ケース 上顎前突　叢生

横顔の口元も気になるとのことで、上下歯列の抜歯となりました。下はラビアル装置（表から見える矯正装置）でしたが、周りに気がつく人がいなかったそうです。　治療期間は1年9ヶ月でした。

症例4：ハーフリンガル：抜歯ケース 上顎前突 叢生

出っ歯と下の歯がガタガタの治療です。上だけの抜歯のケースです。横顔の口元もスッキリしました。
治療期間は1年11ヶ月でした。

症例5：リンガル矯正：抜歯ケース 開咬 叢生

前歯でものが噛めない、口が閉じにくいことを気にされてました。フルリンガルで、上だけ抜歯をしました。抜歯をしたところは、見えないように歯を接着しています。治療後は前歯で噛みきれるようになり、口も楽に閉じるようになりました。　治療期間は2年2ヶ月でした。

症例6：リンガル矯正：抜歯ケース 交叉咬合 叢生

出っ歯が12mmあり、左の上の奥歯（向かって左）がすれ違っています。上だけ抜歯ですが、奥歯をちゃんと治しておくことが矯正治療では大切です。治療後は見違えるほどきれいになり、たいへん喜ばれていました。フルリンガル装置でも外側の装置と治療期間は変わらず、短期間で良好な治療結果が得られました。　治療期間は1年7ヶ月でした。

症例7：ハーフリンガル：抜歯ケース 上顎前突　叢生

骨格的な問題が重度で、難易度の高いケースでした。上顎はリンガル装置で左右4番目の歯を抜歯、下あごはラビアル装置（外側の装置）で非抜歯治療を選択しました。治療期間は長期化（3年以上）が予想されましたが、2年5ヶ月で終了することができました。

症例8：ハーフリンガル：非抜歯ケース　叢生

4年前に他院で矯正治療を終え、後戻りの再治療を希望された患者様です。右側の噛み合わせに前後的ずれはありませんが、左側の上の歯列は下よりも1歯分前にずれているため、前歯が曲がって生えています。非抜歯治療を選択し、短期間で終了することができました。治療期間は1年8ヶ月でした。

症例9：リンガル矯正：非抜歯ケース 切端咬合（上下の前歯の先端が接触する）

30代女性、上と下の前歯が噛み合わずにぶつかる、切端咬合のケースです。なるべく目立たないようにという希望で、フルリンガルでの治療になりました。切端咬合は非抜歯で改善され、理想的な噛み合わせになりました。治療期間は1年8ヶ月でした。